2011/02/14

基準を理解する

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先日来の論文を、先生の多大なるご協力をいただいて昨日ようやく再投稿し終わり、一息ついたので、今回感じたことを書いてみる。

まず、科学の基準というか、ルールというか、それが実によく体感されて理解できた。

論拠として何を示せば、その主張が妥当と考えられるようになるのか?
そして、何をもってその論拠の正確さを保証するのか?

分野ごとにレベルの違いはありながらも、科学であるならば、上記を満たす答えを用意する必要がある。
つまり、どのくらいの基準を満たせば科学として認められるか、という暗黙の了解のようなものが、どの学問分野にもあると思う。

勉強をつづけてきて、卒研や修士の研究を経てきて、この基準について頭ではわかっていた。
しかし、実際に、真剣勝負の科学の最前線でそれを体感したのは、(当然といえば当然なのだけれど)今回がはじめてだった。

reviseが返ってきたとき、最初に感じたのは、「これくらいの基準なのか」という納得感だった。
そして、慎重にやれば、科学の基準を踏み外すおそれはないということがわかり、ある程度の安心を感じた。
基準・ルールがわかっているなら、おそるおそる周りを探るのではなく、その範囲のなかでのびのび動き回ることができる。
そして最後に、すこし苦しんだ。自分が基準を外していないということと、自分が基準を外していないということを人に伝えることは、やはり少々異なる物事だった。

総じて言えば、自信を得た。そして、楽しかった。
また同時に、「研究者」としての自分の未熟さも理解することができた。英語の表現、研究のストラテジー、研究報告の型、…学ぶことはまだまだたくさんある。

100ページを超える修士論文を書くよりも、数10ページの投稿論文を書くほうが、得るものははるかに大きい。そんな1ヶ月だった。

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