2011/08/05

他者を変えるか自分を変えるか

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他者を変えるのはほんとうに困難だけど,自分を変えるのはそれよりは簡単で,効果と労力のトレードオフを考えてどちらかを選ぶといいのかもね,という話.

システムや組織の現状について,納得のいかない感情を抱いていて,とにかく何とかしたいと思っていたとする.そのときに出てくる選択肢は,
・システムや組織(つまり他者)を変える
・感じ方や置かれている環境(つまり自分)を変える
という2通りがあると思う.(なにもしない,という選択肢はひとまず除外.)

効果が大きいのはもちろん前者で,もし自分が「まともな」感覚の持ち主であれば,改革の成果は,きっと多くの人に喜ばれる.その反面,自分と同様,さまざまな他者もそれぞれに固有の意見や感情をいだいており,外からはたらきかけてそれらを変え,統一していくには大きな労力が必要になる.

一方,後者は,自分自身の思い込みや強情を克服することさえできれば,比較的容易に達成できる.場合によっては,「逃げた」と他者から蔑まれ後ろ指をさされる可能性もあるけれど,少なくとも自分自身はある程度の満足を得ることができる.

それで最近思うのが,前者は,感情の収束する先が自分の内にないんだなということ.他者を変えようとする過程で学ぶことは大いにあるだろうし,達成できればそれはそれですごいことなのだけれど,他者の行動や思考に,自分自身の満足や価値基準が大いに依存することになってしまう.一方の後者では,他者の思惑に関係なく,自分が本当にしたいことを熟考し実現することが重要になってくる.

もちろん,他者からどう評価されるかということも,自分自身のモチベーションを構成する大きな要素ではある.しかし,前者をしようとする際には,それほどの労力を他者のためにつぎ込む覚悟があるか?とあらためて自問してみる必要があるのかもしれない.

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