今回は,イントロダクションと結論について書かれた部分からの抜き書きです.
16章 IntroductionとConclusion
16.1 Introductionに共通する構造
Context + Problem + Response.16.2 ステップ1: 共通の土台を確立する
共通の土台にある (すでに知られており明らかに問題がない) 話題からはじめる.そして,問題を提示する.読者よ,おそらくあなたは◯◯について知っているだろう.しかし,あなたの知識には不足または不完全なところがある…
16.3 ステップ2: 問題を述べる
共通の土台を確立したなら,問題を提示することでそれを乱す.研究上の問題の提示は以下2つの部分に分けられる.
・知識や理解が不完全であるという状態 (a condition)
・その状態の帰結 (consequences)
誰かが,それでどうなっちゃうの?と聞いてきてくれる場面が想像できるなら,この状態の解決は,十分な研究上の問題になり得る.
次にするのは,その帰結を,直接的なコスト (◯◯が不完全なので,より大きな問題である××が解決できない) または利益に変換したかたち (もし◯◯を明らかにできれば,××を決定できる) で,示すこと.
16.4 ステップ3: 自分のだした答えを述べる
Introductionの最後で,主張のポイントまたは解決策を明確に述べる.または,ここでは示さないが,Conclusionや本文中で答えを提示すると約束する (point-last paper).しかし後者のスタイルは,読者に本文を読む (余計な) 時間を要求することになるため,推奨されない.
16.6 Conclusionを書く
16.6.1 主張の要点 (Main point) からはじめる
Conclusionのはじめのほうで,要点を述べる.既出であったら,またきちんと繰り返す.16.6.2 新たな Significance や応用を述べる
要点を述べたら,なぜそれに意味があるのかを示す.16.6.3 さらなる研究の必要性を示唆する
この研究からは結論がでたが,まださらなる研究が必要である.脚注
※1 研究者として,テーマをみつけ,結果を出し,参考文献を引用し,論文を書く際の心得やコツを一通りまとめた本です.ロジカルシンキングやテクニカルライティングなどを扱った書籍はたくさんありますが,研究という営みに特化したものはこれまであまり読んだことがなかったので,非常に参考になりました.あまり見かけない表現などもしばしばありましたが,基本的には読みやすかったです.(ちなみに,本文中には,近々日本語訳も出版されるとの記述がありました)
0 件のコメント:
コメントを投稿