今回は,原稿の修正について書かれた部分からの抜き書きです.
14章 文章の構成と論拠を修正する
14.2 原稿の枠組みを修正する
読者が,即座に間違いなく,以下の3点を認識できるようにしておかなければならない.- イントロダクションの終わるところ
- 結論のはじまるところ
- 要点を提示している文章
14.3 論拠を修正する
参考: 論拠の構築14.3.2 論拠の質を評価してみる
読者があなたの論拠を却下する原因はなんだろうか.- あげられた証拠は十分か,信頼できるか,主張と明確に結びついているか?
- ノートにとった数字と打ち込んだデータは一致しているか?
- 引用やデータと主張との結びつきは明確か?
- 主要な理由と,それを支える証拠のあいだのsubreasonsをすっとばしていないか?
- 論拠の妥当性を適切に見積もっているか? probably, most, often, mayなどの保険をかけておかなくて大丈夫か?
- あり得る他の見方や反論についてきちんと認識しているか?
- 文章にしていない根拠を,文章にして表現すべきか?
14.4 原稿の構成を修正する
- key termsは文章の全体を通して出現してきているか?
- イントロと結論にあるkey termを丸で囲ってみる
- 本文にある同じtermsも丸で囲む
- key termsと関連する語に下線をひく
- 大部分のパラグラフに,それらのkey termsがひとつも書かれていなかったら,読者は,あなたの原稿を不明瞭に感じるだろう.
- sectionやsub-sectionが始まることを表すシグナルは,明確に示されているか?
- 主要なsectionの始まりに,前のsectionとの関係を表すシグナルがあるか?
- ひとつひとつのsectionが全体とどう関係しているか明確にわかるか? それぞれのsectionについて,このsectionはどんな問いに答えているか?と考えてみること.答えられなかったら,その部分の削除を考えても良い.
- そのsectionの要点が簡潔に示されているか?
- そのsectionを性格づける見出しは個性的か? 全体を通した性格づけと変わるところがないなら,読者は,新たなアイデアが提示されていないと読むだろう. 他のsectionと同じであったなら,同じことが繰り返されていることになる.
脚注
※1 研究者として,テーマをみつけ,結果を出し,参考文献を引用し,論文を書く際の心得やコツを一通りまとめた本です.ロジカルシンキングやテクニカルライティングなどを扱った書籍はたくさんありますが,研究という営みに特化したものはこれまであまり読んだことがなかったので,非常に参考になりました.あまり見かけない表現などもしばしばありましたが,基本的には読みやすかったです.(ちなみに,本文中には,近々日本語訳も出版されるとの記述がありました)
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